USA ! USA ! なソチ五輪スキースロープスタイル [スポーツ]
ソチオリンピックのニュースが連日流れていますが、報道されるのは日本選手でかつメダル候補のことが90パーセントくらいになっていて、日本人選手のエントリーのない種目はほとんど注目されないというのは当たり前の話。ですが、それってすごくもったいないと思います。私の場合、もちろん日本人選手の活躍は見たいですが、そういうこと以上にオリンピックを見る目的として「世界のモンスタークラスの身体能力とヤバすぎるスキルが見てぇぇ!!」というのがあります。
で、そんなあんまり報道されないソチオリンピック種目でご紹介したいのが、フリースタイルスキーのスロープスタイル。スロープスタイルはスノーボードのほうで見事入賞を果たした角野選手でご存知の方も多いでしょうが、そのスキーバージョンです。今季大会での日本人選手のエントリーが残念ながらないので、たぶんニュースで結果だけ伝えられることでしょう。
結果は・・・・
USA ! USA ! USA ! USA !
初代王者は95・80点をマークしたジョス・クリステンセン。2位は93・60点のガス・ケンワーシー、3位が92・40点のニコラス・ゲーパー。メダルをアメリカ勢が独占しました。
結果はちょっと置いておくとして、このスロープスタイルとかハーフパイプのようなX-GAMEから採用された種目の面白さは、トップのランだけ見るのではなく、2回滑って良い得点のものが採用されるルールがあるため、すべての選手が順番に滑る大会全体の流れにあるように思います。音楽に例えれば、ジャズのジャムセッション、ヒップホップのMCバトル、ターンテーブルバトル。
「お前はかなりヤバいプレイを見せてくれたけど、オレはもっとヤバくてクールだ。」みたいなやりとりがそれぞれの滑りから感じ取れるわけです。
なので、ざっくりと今季大会の流れをお伝えしたいと思います。
決勝に残ったのは12人。予選の得点の低い選手から順番にランを行います。
12名の選手と滑走順序は以下のとおりです。
1 ボビー ブラウン(アメリカ)
2 ヘンリク ハルラウト(スウェーデン)
3 ジョサイア ウェルズ(ニュージーランド)
4 アレクサンデル アルダル(ノルウェー)
5 オイスタイン ブロテン(ノルウェー)
6 ラッセル ヘンショー(オーストラリア)
7 アレックス ボーリューマルシャン(カナダ)
8 ガス ケンワーシー(アメリカ)
9 ニコラス ゴーパー(アメリカ)
10 ジェームズ ウッド(UK)
11 アンドレアス ハートヴェイト(ノルウェー)
12 ジョス クリステンセン(アメリカ)
まずは1回目のラン、最初にランを見せたのはこのブログで4年前にご紹介したあのボビー ブラウン!下馬評では間違いなくメダル候補だった選手です。Tシャツ姿!で、いきなり攻めた走りを見せてくれます。が最後のキッカー(ジャンプ台)で最高難度の大技トリプル(3回転)にチャレンジし、惜しくも転倒。観客からもため息が。これが決まってたらメダルだったかもしれない、そんなスキルフルな滑り。
続くヘンリク ハルラウト(写真)。髪型はロングドレッド、超ファンキーな曲者。エアの後、必ずスキーパンツがずり落ちて下着が見えるという、日本だったら間違いなく五輪にふさわしくないと批判されるレベル。ランはどう表現したらいいのか、BGMを流すならディープハウス、ビートダウン、漆黒のグルーヴを感じさせる(人によってはレゲエかもしれないね)。とにかくファンクネス渦巻くランで80点台をマーク。
続く選手も果敢に攻めたランにチャレンジする中、決勝で最初の90点台をマークしたのは、9番目のニコラス ゴーパー。3つのキッカーでダブル→ダブル→トリプルを見事に決めます。彼は唯一ストックを持たないスタイルの選手。ストックを持たないことはスキーらしさが失われるということで、採点基準としては減点対象になるそうです。そんなハンデをしょってのこのポイントはKeep it Realと言わざるを得ない。
で、1回目最後の選手、予選1位通過のジョス クリステンセン。滑りが軽い。超高難度なトリックを繰り出しているのに、見ていて安心感すら覚えるような。ちょっと他の選手と違うネクストレベルな軽さでダブル→ダブル→トリプルをメイクして95.80というハイスコアをマーク。
2回目のラン。95.80という記録を超えるための各選手のラストランになるわけです。どの選手からもスタート時の気迫、スキーを楽しむ感じが伝わってくるのが本当に見ていて楽しい。攻めすぎてミスをする選手も続出する中、これはジョスを超えてくるのではという滑りを見せたのが、ガス・ケンワーシー。ダイナミックなスピンと余裕の高さでトリプルをメイク!ジョスに届かないまでも、93.60マークし2位へ浮上。
ジョスまでにあと2人。ジェームズ ウッドが、アンドレアス ハートヴェイトが、超えてくるのかどうか。ハートヴェイトがこれはと思わせるランを見せるもいまいちスコアが伸びず91.80。ここでジョス優勝。
優勝が決まってのジョスのラストラン。否、ウィニングラン。これもふんわり軽くダブル→ダブル→トリプルを決める!癒し系な雰囲気さえあるリラックスした滑り、なのに超絶スキル。93.80をマーク。どっちにしても金メダルじゃん!という結果で会場はよりエンタテイメントな雰囲気に包まれて大会終了。
このジョスという選手、実はワールドカップでの最高順位は3位で、世界ランキングもそう高くない。今大会の選考でもアメリカ代表に最後に決まったそう。そんなジョスが、今大会はまさに神がかったランで世界を魅了。戦いながら強くなる選手って本当にいるんだなぁと思いました。
決勝リザルトは以下のとおり。
1 ジョス クリステンセン(アメリカ)
2 ガス ケンワーシー(アメリカ)
3 ニコラス ゴーパー(アメリカ)
4 アンドレアス ハートヴェイト(ノルウェー)
5 ジェームズ ウッド(UK)オイスタイン ブロテン(ノルウェー)
6 ヘンリク ハルラウト(スウェーデン)
7 アレクサンデル アルダル(ノルウェー)
8 ラッセル ヘンショー(オーストラリア)
9 ボビー ブラウン(アメリカ)
10 オイスタイン ブロテン(ノルウェー)
11 ジョサイア ウェルズ(ニュージーランド)
12 アレックス ボーリューマルシャン(カナダ)
1回ミスしたら即メダル候補から外れてしまう競技なので、誰が勝ってもおかしくない面白さがあるのがX-GAME系種目。ここでは書ききれなかったのですが、オイスタイン ブロテンのウォールライドからのコークとか、ジェームズ ウッドのオクトパスグラブとか見どころがたくさんあるので、ぜひ日本版五輪公式サイトのアーカイブを見るべき。
公式サイト大会7日目2月13日のアーカイブでも観戦できます(2014年2月14日現在)
最後、今大会で一番インパクトのあったNo.1ファンキースキーヤー、ヘンリク ハルラウトのソチ五輪の写真「パンツ見せてフォー(レイザーラモンHG風)」と、彼が2013年のX-GAME「Big Air」でゴールドを獲得したランを載せておきます。また、ソチ五輪スキーハーフパイプについてはこちらに書いておりますのでぜひ。
ソチ五輪スキースロープスタイルはアンドロイド端末用の公式ゲームがあります!
フリースタイルスキーのDVDもご興味あればぜひどうぞ!
ソチ五輪スキースロープスタイル アンドロイド公式ゲーム
2位のガス ケンワーシー出演作
6位のヘンリク ハルラウト出演作
で、そんなあんまり報道されないソチオリンピック種目でご紹介したいのが、フリースタイルスキーのスロープスタイル。スロープスタイルはスノーボードのほうで見事入賞を果たした角野選手でご存知の方も多いでしょうが、そのスキーバージョンです。今季大会での日本人選手のエントリーが残念ながらないので、たぶんニュースで結果だけ伝えられることでしょう。
結果は・・・・
USA ! USA ! USA ! USA !
初代王者は95・80点をマークしたジョス・クリステンセン。2位は93・60点のガス・ケンワーシー、3位が92・40点のニコラス・ゲーパー。メダルをアメリカ勢が独占しました。
結果はちょっと置いておくとして、このスロープスタイルとかハーフパイプのようなX-GAMEから採用された種目の面白さは、トップのランだけ見るのではなく、2回滑って良い得点のものが採用されるルールがあるため、すべての選手が順番に滑る大会全体の流れにあるように思います。音楽に例えれば、ジャズのジャムセッション、ヒップホップのMCバトル、ターンテーブルバトル。
「お前はかなりヤバいプレイを見せてくれたけど、オレはもっとヤバくてクールだ。」みたいなやりとりがそれぞれの滑りから感じ取れるわけです。
なので、ざっくりと今季大会の流れをお伝えしたいと思います。
決勝に残ったのは12人。予選の得点の低い選手から順番にランを行います。
12名の選手と滑走順序は以下のとおりです。
1 ボビー ブラウン(アメリカ)
2 ヘンリク ハルラウト(スウェーデン)
3 ジョサイア ウェルズ(ニュージーランド)
4 アレクサンデル アルダル(ノルウェー)
5 オイスタイン ブロテン(ノルウェー)
6 ラッセル ヘンショー(オーストラリア)
7 アレックス ボーリューマルシャン(カナダ)
8 ガス ケンワーシー(アメリカ)
9 ニコラス ゴーパー(アメリカ)
10 ジェームズ ウッド(UK)
11 アンドレアス ハートヴェイト(ノルウェー)
12 ジョス クリステンセン(アメリカ)
まずは1回目のラン、最初にランを見せたのはこのブログで4年前にご紹介したあのボビー ブラウン!下馬評では間違いなくメダル候補だった選手です。Tシャツ姿!で、いきなり攻めた走りを見せてくれます。が最後のキッカー(ジャンプ台)で最高難度の大技トリプル(3回転)にチャレンジし、惜しくも転倒。観客からもため息が。これが決まってたらメダルだったかもしれない、そんなスキルフルな滑り。
続くヘンリク ハルラウト(写真)。髪型はロングドレッド、超ファンキーな曲者。エアの後、必ずスキーパンツがずり落ちて下着が見えるという、日本だったら間違いなく五輪にふさわしくないと批判されるレベル。ランはどう表現したらいいのか、BGMを流すならディープハウス、ビートダウン、漆黒のグルーヴを感じさせる(人によってはレゲエかもしれないね)。とにかくファンクネス渦巻くランで80点台をマーク。
続く選手も果敢に攻めたランにチャレンジする中、決勝で最初の90点台をマークしたのは、9番目のニコラス ゴーパー。3つのキッカーでダブル→ダブル→トリプルを見事に決めます。彼は唯一ストックを持たないスタイルの選手。ストックを持たないことはスキーらしさが失われるということで、採点基準としては減点対象になるそうです。そんなハンデをしょってのこのポイントはKeep it Realと言わざるを得ない。
で、1回目最後の選手、予選1位通過のジョス クリステンセン。滑りが軽い。超高難度なトリックを繰り出しているのに、見ていて安心感すら覚えるような。ちょっと他の選手と違うネクストレベルな軽さでダブル→ダブル→トリプルをメイクして95.80というハイスコアをマーク。
2回目のラン。95.80という記録を超えるための各選手のラストランになるわけです。どの選手からもスタート時の気迫、スキーを楽しむ感じが伝わってくるのが本当に見ていて楽しい。攻めすぎてミスをする選手も続出する中、これはジョスを超えてくるのではという滑りを見せたのが、ガス・ケンワーシー。ダイナミックなスピンと余裕の高さでトリプルをメイク!ジョスに届かないまでも、93.60マークし2位へ浮上。
ジョスまでにあと2人。ジェームズ ウッドが、アンドレアス ハートヴェイトが、超えてくるのかどうか。ハートヴェイトがこれはと思わせるランを見せるもいまいちスコアが伸びず91.80。ここでジョス優勝。
優勝が決まってのジョスのラストラン。否、ウィニングラン。これもふんわり軽くダブル→ダブル→トリプルを決める!癒し系な雰囲気さえあるリラックスした滑り、なのに超絶スキル。93.80をマーク。どっちにしても金メダルじゃん!という結果で会場はよりエンタテイメントな雰囲気に包まれて大会終了。
このジョスという選手、実はワールドカップでの最高順位は3位で、世界ランキングもそう高くない。今大会の選考でもアメリカ代表に最後に決まったそう。そんなジョスが、今大会はまさに神がかったランで世界を魅了。戦いながら強くなる選手って本当にいるんだなぁと思いました。
決勝リザルトは以下のとおり。
1 ジョス クリステンセン(アメリカ)
2 ガス ケンワーシー(アメリカ)
3 ニコラス ゴーパー(アメリカ)
4 アンドレアス ハートヴェイト(ノルウェー)
5 ジェームズ ウッド(UK)オイスタイン ブロテン(ノルウェー)
6 ヘンリク ハルラウト(スウェーデン)
7 アレクサンデル アルダル(ノルウェー)
8 ラッセル ヘンショー(オーストラリア)
9 ボビー ブラウン(アメリカ)
10 オイスタイン ブロテン(ノルウェー)
11 ジョサイア ウェルズ(ニュージーランド)
12 アレックス ボーリューマルシャン(カナダ)
1回ミスしたら即メダル候補から外れてしまう競技なので、誰が勝ってもおかしくない面白さがあるのがX-GAME系種目。ここでは書ききれなかったのですが、オイスタイン ブロテンのウォールライドからのコークとか、ジェームズ ウッドのオクトパスグラブとか見どころがたくさんあるので、ぜひ日本版五輪公式サイトのアーカイブを見るべき。
公式サイト大会7日目2月13日のアーカイブでも観戦できます(2014年2月14日現在)
最後、今大会で一番インパクトのあったNo.1ファンキースキーヤー、ヘンリク ハルラウトのソチ五輪の写真「パンツ見せてフォー(レイザーラモンHG風)」と、彼が2013年のX-GAME「Big Air」でゴールドを獲得したランを載せておきます。また、ソチ五輪スキーハーフパイプについてはこちらに書いておりますのでぜひ。
ソチ五輪スキースロープスタイルはアンドロイド端末用の公式ゲームがあります!
フリースタイルスキーのDVDもご興味あればぜひどうぞ!
ソチ五輪スキースロープスタイル アンドロイド公式ゲーム
2位のガス ケンワーシー出演作
6位のヘンリク ハルラウト出演作
コメント 0