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PCDJで現場対応を考えつつ、できるだけ低予算でできる機材選び [音楽]

DJをこれからはじめたい、いや、今はちょっとかじりたい程度だけど慣れてきたらクラブやバー、カフェでDJできる機会があればチャレンジしたいなぁ、くらいの趣味レベル、ホームサイズのDJとして楽しむ場合に十分な機材は何か。それをもうかれこれ5年以上考えてきて、ひとつの個人的な回答がでました。
これから遊びでDJやりたい、できれば簡単なほうがいいからPCDJで、という方に参考になればと思います。

というわけで、まずは結論から。
■今、使っている機材と方法
・PC・・・14インチサイズのwindows10
・DJソフト・・・TRAKTOR PRO3
・オーディオインターフェイス・・・TRAKTOR A6
・MIDIコントローラー・・・TRAKTOR KONTROL X1 MK2

上記の機材を現場のDJブースに持ち込んでプレイします。
PCの楽曲データをDJソフトとそれに対応したコントローラーで選曲や頭出し、その他エフェクトを操作して、楽曲と楽曲のつなぎやイラコイザー(EQ)の調整は現場のミキサーを使います。

本当に初めてPCDJやることを考えるときのために先の機材について簡単に説明します。

■PC
自宅PCがWindowsなのでそのまま使用。CPUはCore i5(8th)です。
いまのところ使用ソフト「TRAKTOR PRO3」での音飛びなど処理落ちは感じません。
14インチはDJ用としては少し大きめです。13.3インチを使うのが多いようです。

■DJソフト
TRAKTOR PRO3
Native Instrumentsより発売のDJソフトで、Serato DJ Proと同じくらいDJソフトでは有名。
最初に買ったDJソフトがTRAKTOR PRO2だったのでアップデートしてそのまま使用。
PRO3になってDVSにも対応しましたので、より現場志向、プロ志向のソフトになった気がします。
このソフト自体はハウス系のDJに利用者が多いようです。

■オーディオインターフェイス
TRAKTOR A6は名前のとおり、TRAKTOR PRO3の公式オーディオインターフェイスみたいなものです。このオーディオインターフェイスでないとTRAKTOR PRO3からの楽曲データをミキサーに出力できないということではありません。でも、メーカーをそろえておくと初期設定やトラブルシューティングが楽です。これは個人的にはかなり重要です。

■MIDIコントローラー
TRAKTOR KONTROL X1 MK2も同じくTRAKTOR PRO3の公式コントローラーです。
機材としてはかなり前に発売されたものですが、まだまだ十分使えます。ソフトと同じメーカーなので初期設定やトラブルシューティングが楽です。

このセッティングまで来るのに主にお金の都合とかで5年くらいかかりました・・・。




では、この機材を選ぶに至った理由を長々と書きます。

■現場DJブースもいけるPCDJの機材選びって・・・
DJをする機材はネットで調べれば、それはもうかなりの数がヒットします。
しかもなかなかのお値段に驚くわけです。どれをどう選べば自宅練習かつクラブやバーの現場DJブースに対応できる組み合わせになるのか、限られた予算の中で大きな悩みとなります。
まずは、いわゆる「現場のDJブース」には何があるか、確認しておきます。

一般的なDJブースは
・アナログのターンテーブルが2台
・CDJが2台
・DJミキサー(4ch)が1台
そんな構成になっているケースが多いです。

PCDJの場合はPC内にある楽曲データを、DJミキサーを経由してスピーカーに出力します。
ただPCを飛び出した楽曲データの信号は、DJミキサーでは直接読み取れない状態になっています。
それを解決するにはオーディオインターフェイス(以下I/F)という機材が必要です。

I/FはPCDJをやるにあたって必ず必要になります。

ではDJブースの状態を知った上で、PCDJに必要なものは何かを次に書きます。

■PCDJをやるために絶対に必要なもの

・ノートPC
・DJソフト
・オーディオインターフェイス(I/F)

必要最低限であれば、これでできます。
独断と偏見に基づくそれぞれの選び方は次のとおり。

■ノートPCについて
WindowsでもMacでもそんなに変わらないと思います。
こだわる人はたぶん「Macのほうが安定感がある」との理由でMacを選ぶのがいいでしょう。私はそこまでじゃないのとWindowsに慣れているのと、いまのところ不具合もないのでWindowsでやってます。core i5以上のCPUを搭載したPCならおおむね処理とかは問題なさそうです。
中には「WindowsでDJとか(笑)」みたいに思う人もいるかもしれません。けど、ブラインドで聞いてWinかMacどちらから出力した楽曲データかなんてわかるものではありませんし、楽曲データそのものとかスピーカーとかPC以外の環境のほうが大きいと思うので、まあ気にしないことにしています。
あと、タッチパネル式ディスプレイのPCが使ってみるとめっちゃ便利です。
電車で移動中にセットリストを作ったりするときもマウスやパッドなしで操作できます。

■DJソフトについて(!ソフト単品買いはちょっと待って!)
使っているのはTRAKTOR PRO3ですが、有力なDJソフトにはもう一つSerato DJ Proというのがあります。TRAKTORを選んだ理由は、一番最初に購入したMIDIコントローラーにバンドルされていたから。それでTRAKTORの正規版へのアップグレードが比較的安くできたのも大きな理由です。
現在、この2つのソフトの価格はTRAKTOR PRO3のほうがちょっとだけ安いです。
どちらのソフトにも購入するMIDIコントローラーやオーディオインターフェイスにアップグレード可能な体験版がバンドルされているケースもあるので、MIDIコントローラーの購入を考えている人はソフトだけ単品で買うのはもったいないです。
あと後発ですが、DJ機器トップシェアのパイオニアがrekordboxというソフトを販売するようになりました。

TRAKTOR PRO3・・・¥12,800
Serato DJ Pro・・・・¥15,000
rekordbox dj 5.0・・・¥15,000
(2019年3月時点)
DJソフトについては、もしDJ仲間がいるならその人と同じものにするのも手です。
設定でわからないこと、現場でトラブルになった場合も助けてもらえる可能性が高いです。

ちなみに各DJソフトの攻略本あります。



■オーディオインターフェイス(I/F)
オーディオインターフェイス・・・。これは音響機器にはそれほど詳しくないですが、音質に直結する重要な機材です。あまり考えずにDJソフトが推奨するものを選択するのをオススメします。理由はなんといっても初期設定やトラブル対応がしやすいです。言ってみれば推奨環境での使用なのでデフォルトの設定でそのまま使用できるケースもありますし、仮に設定を変えようとした場合も、マニュアルは推奨する環境に基づいた説明が載っているので、初心者でもまだわかりやすいはずです。
「物理的な接続は間違いないのに音が出ない!」のトラブルはほぼ必ず直面します。ここはコスト削減よりも、練習時間の確保とストレス低減を優先すべきところだと考えます。

TRAKTOR PRO3の場合・・・TRAKTOR Scratch A6など


Serato DJ Proの場合・・・DENON DS1など


まず、ここまでが必要最低限の機材と選択の考え方です。

続いては、自宅練習のために練習環境を現場DJブースに近づけます。
必要なのはDJミキサーとスピーカーです。

■DJミキサーについて
あくまでできる限り低予算というのがテーマですが、このぐらいの機能は欲しいというのがあります。
・EQは3バンドのもの
これだけです。
EQとはイラコイザーのことで、3バンドあるミキサーの場合、高音・中音・低音の出力の強弱をコントロールできます。趣味レベルDJなら、現場で使うのはほぼこのEQを操作するノブとフェーダー、クロスフェーダーくらいです。

たとえば、トップクラスのシェアをもつパイオニアの2chDJミキサー


ちょっと安いベリンガーのDJミキサー


オーディオインターフェイス内蔵型DJミキサー


ここまでのモノが自宅にあれば、DJプレイは可能です。
PCでDJソフトを動かして、PCキーボードとマウスやトラックパッド、タッチ式のディスプレイで操作して曲をつないでいくことができます。
ただ、PCキーボードに対応する操作は覚えにくかったり、マウスなんかではそもそも操作がしづらいのがDJソフト。流す曲には問題なくても、DJブース内で事務作業しているように見えてしまうというビジュアル面の問題もあります。
そこであると便利なのはDJソフトに対応したMIDIコントローラーということになります。

■MIDIコントローラーを選ぶ考え方
MIDIコントローラーについて、操作性についてはほぼ慣れと好みなので、使用するDJソフトが対応してるものであれば問題なしです。ただ、オーディオインターフェイス選びと同様にそろえておくとトラブルが少ないと思います。

では何を選択のポイントにするのか?
私の出した答えは、携帯性でした。動作の安定性を前提に、とにかく軽くてコンパクトなMIDIコントローラーです。というのも、現場のDJブースははっきり言って狭いです。PCの置き場所確保だけでも工夫しないといけないのがあたりまえという環境です。その狭い中、PCを置き、I/Fを置いて接続して、さらにMIDIコントローラーとなれば・・・置き場所はかなり厳しくなることが予想できます。

MIDIコントローラーは10年くらい前に登場してPCDJの普及にともなってどんどん高機能化が進んだように思います。youtubeなどにたくさんアップされているように、4デッキを使ってエフェクトをかけるとか、リアルタイムリミックスをするとか凝ったプレイの可能性が無限大に広がっています。すごくいいことです。でも、MIDIコントローラーは高機能であればあるほど、デカくて重い。
大箱クラブやフェスのステージだったり、ミクスチャーバンドのDJプレイヤーならデカさも含めてサマになり、機能もフル活用できそうです。
でも、いま話をしている想定は趣味レベル。DJブースは狭いし、持ち運びの労力はぶっちゃけ減らしたい。そもそも高機能なMIDIコントローラーを持っていたところで活用できるスキルをつける時間もないわけです。

であれば、使いこなせる機能を厳選したもので、場所をとらず持ち運びも軽くて楽。それでいてプレイが事務作業みたいに見えないようなもの。その答えが私の場合はTRAKTOR KONTROL X1 MK2でした。機材自体の説明に関しては、NI社の公式ページなどで確認できますので、ここでは割愛します。
よく使う便利な機能だけ言うならば、

・ループ
つなぎの合間などでブレイクなど合わせるタイミングをはかるのに役立ちます。
・CUEのマーキング
デフォルトの設定では1つの楽曲に対して4つまでCUEポイントを設定できます。
一気に楽曲を指設定したところへジャンプさせることができるのでリミックスのような鳴らし方をしたり、ジャグリングと似たようなことができます。
・エフェクターのON/OFF
TRAKTORにはソフトの機能としてエフェクターが付加されています。コントローラーでワンタッチでON/OFF、エフェクトのかかり具合をノブで調整できます。

まあ、とにかく操作が楽なのでプレイ中の気持ちに余裕ができます。



■MIDIコントローラーではスクラッチをしない選択
DJといえば誰もがイメージするスクラッチですが、私自身のプレイとしてできないというのもありますが、四つ打ちハウス系をかけることが多くスクラッチを必要とする点がなかったためです。MIDIコントローラーを使ったスクラッチを捨てると一気に荷物が減らせます。

余談ですが、最初にMIDIコントローラーを買ったときは「やっぱDJ遊びするなら、スクラッチってどんなものかやってみたいよね!」というノリでジョグダイヤルのついたVESTAXのVCI-100mk2(I/F内蔵で値段も比較的手ごろだった)を購入しました。結果としては当時使用していたPCと、当時のTraktorのバージョンなどもろもろ相性がよくなかったのか動作不安定で練習よりも設定に悩む時間のほうが長かったです。ただ不安定ながらも使っていく中で、スクラッチはそんなにプレイスタイルとして使わないということがわかりました。

PCDJで本気でスクラッチをするならDVSでアナログターンテーブルが最も実用的でスキルアップにも役立つと思います。ハイレベルなスクラッチスキルを持つヒップホップ系のPCDJの多くは、DJソフトの楽曲データを専用のアナログレコード(コントロールヴァイナル)で操作してスクラッチプレイをしています。

とにかく、私の場合はDJプレイとしてスクラッチをしないという理由から、ジョグダイヤルのついたMIDIコントローラーは選択から外れたわけです。

■MIDIコントローラーのサイズ感
TRAKTOR KONTROL X1 MK2の場合
(120 mm x 52 mm x 294 mm, 691g)
A4用紙の半分よりちょっと大きいくらいで、700gを切る軽さです。
ちょっと大きめのリュックで、ノートPC、I/F、このMIDIコントローラー、あとPCの電源やUSB接続、ミキサーとの赤白ケーブルなどもろもろは十分入ります。



ジョグダイヤルのあるコントローラー(コンパクトなもの)
TRAKTOR KONTROL S2の場合
(W.486 x D.265 x H.59 mm,2.6kg)
幅約50cmはバックパックに入らなくはないけれど、2.6kgは重い!
持ち物としてはI/Fが内蔵されているので、ノートPC、このMIDIコントローラー、その他コード類になります。



パイオニアDDJ-SB3の場合
(482.6×272.4×58.5mm,2.1kg)
Serato向けコントローラー。ちょっと軽くなったけれどサイズ感はS2とほぼ同じ。



高機能DJ MIDIコントローラーのサイズ感
TRAKTOR KONTROL S8
(38.7 cm、高さ: 6,6 cm、幅: 58,5 cm、5 kg)
ジョグダイヤルはないけれど波形表示機能まであるTRAKTOR KONTROLのフラッグシップモデル。TRAKTORの全機能を完全コントロールできます。この重量感はもう、ほぼ楽器です。現場DJブースが広く、キャリングケースでの持ち運びが苦にならないならアリかも。



パイオニアDDJ-SX3
(664 mm,70.4 mm,354.4 mm,6.1 kg)
Serato向けパイオニアのフラッグシップモデル。上記に同じくほぼ楽器。



■やっぱり気になるコストのこと
PCは手持ちのモノを使うとして・・・
すべて新品定価なら
Traktor A6(I/F)・・・¥37,800
TRAKTOR KONTROL X1 MK2(MIDIコントローラー)・・・¥24,800
DJミキサー2chタイプ・・・・¥20000~30000くらい
DJソフト・・・¥7000~15000くらい
※MIDIコントローラーやI/Fのバンドルでアップグレードすれば¥7000くらいにできます。

まあなんだかんだで8万円くらいかかります。
でも、フリマアプリや中古ショップなどをうまく活用すれば5万円くらいでそろえることもできます。


■現場DJブースもいけるPCDJの機材選びの結論として
持ち運びが楽、コントローラーは便利なので使いたいが置ける場所は十分でないことが多いのでコンパクトなほうがいい。あと、やっぱり見た目として現場のDJミキサーを使えるほうがサマになる。
これらを踏まえたのが、ノートPC(1.3kg)、I/F(0.75kg)、コンパクトなMIDIコントローラー(0.7kg)というわけです。接続のコードをもろもろ加えても4kg以下になっていると思います。これなら駅から多少歩くことになっても苦ではないのと、泊りの着替えなども少し持っていける余裕があります。
これからDJやってみたいという人の参考になれば幸いです。

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